戦後のダンスホール通い

若い頃は東京へ出稼ぎに行っていた祖父。

私が実家へ帰ると何度も繰り返し『今はどこに住んでいるんだ?』と聞かれます。

そして「新宿だよ」と答えると祖父の思い出話が始まります。

 

 

『ごま久しぶりに帰ってきたな、もう去年の正月以来だぞ』

「(先週帰ったけど)久しぶりだね〜」

『今はどこに住んでるんだ』

「新宿だよ」

『交差点の角に百貨店があるだろ』

「伊勢丹?」

『そこをこっちに行くとダンスホールがあってな』

「うんうん」

『3軒あるうちの右だ、そこがじーちゃんの行きつけだ』

「へぇ〜今はその辺りに映画館があるよ」

『そんなわけないだろ先週も行ったぞ(時空の歪み)』

「今度連れてって欲しいな!」

『中は悪い男もいるから子供は行っちゃいかん(私は30歳)』

「っていうかおじいちゃん、ダンスなんてできるの?」

『よし、特別に見せてやる』

そして始まる祖父の摩訶不思議なダンス。

笑いをこらえるのに必死な家族。

 

ダンスの披露が終わると始まる、いつものループ。

 

『で、ごま。今どこに住んでるんだ?』

…。

この日はダンスホールの思い出を7周分聞きました。

摩訶不思議なダンスはうち5回、披露してくれました。

 

足腰が健康で何より。

私は疲れました。

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